img_01

ブライダルインナーの小さな願い

息子が高校受験を迎え、一応は勉強しなければというわけで、夫だけが旅行に行き、私は息子と自宅で年を越していたときがある。
当たり前のことだけど、夫婦だからといって、必ず一緒にお正月を過ごせるというわけではない。仕事の関係で、お正月も平日もないなんていう夫婦も多いだろう。
たとえ一緒にお正月を過ごしていても、「Eから大喧嘩。まったく、お正月ってロクなことがない。毎年、これだもの」と、ぼやく夫婦もたくさんいる。
けれども、独身の彼女はそんなことは知らない。

夫婦というのは、皆、例外なく、楽しいお正月を過ごしていると思うらしい。「私も結婚しようかなあ。あんな男のことあきらめて。もう、いや。お正月をホテルで女友だちと過ごすの。それとも、今からアイツの家に電話をかけて、何もかもぶちまけてやろうかしら。おとその酔いもふっとぶだろうね。せっかくの家族団繁がめちゃくちゃになるね」
などと、物騒なことを言う。
なんとか思いとどまらせようと、私はこう言った。
「そんなこと言わないでよ。結婚していたって、夫婦が一緒にいられるとは限らないよ。現に、うちの主人、今、旅行中だもの。あなたなんてホテルにいるだけ優雅かもよ。ね、そんなにヤケ起こしちゃ駄目だって」
すると、彼女は
「結婚していてひとりでいるのと、相手が奥さんのとこへ行っていてひとりでいるのでは、全然違うのだってば。ま、Aにこんなこと言ってもわかんないだろうけどさ」
と、やけにはっきり言い切るのである。
そんなものなのだろうか。
いずれにせよ、お正月が不倫の恋人たちにとって、危機が訪れる年中行事なのは、間違いがないようだ。それでも、お正月はまだマシともいえる。
毎年のことだけに覚倍ができているからだ。つらいのは、ふいに襲ってくる危機だという。
たとえば、恋人が急に入院したとしよう。すると、不倫の関係にある恋人はお見舞いさえままならない。

容態もわからないまま、ひとりで心配の日々を過ごさなければならない。そういえば、相手の入院が原因となって不倫の恋を清算した知人がいる。
彼女が不倫関係にあった恋人と別れたと聞いたとき、私は「さては、お正月の危機を乗り越えられなかったな」と思ったのだが、そうではなく、彼が胃潰療で入院したことがきっかけになったのだそうだ。会社の同僚を装ってお見舞いに行くと、げっそりとした彼がいた。
無精ひげが伸びて、口臭もひどい。おまけに、奥さんに頼りっぱなしで、だらしない子供のようになっていたという。
それを見て、百年の恋も冷めたらしい。「奥さんはね、そんな彼のわがままをいやな顔もしないで聞いていんのよ。信じられる?」と、彼女は驚く。
「もちろん」と、私は答えた。

夫婦ってそういうものだろう。トイレを共有し、下着を洗い、くたくたにくたびれた姿を見ている夫婦は、病気くらいで気持ちに変化は生じないものだ。

ブライダルインナー選びの耳よりな情報を公開しています。
今すぐ見つかるブライダルインナーの安心の優良サイトの情報を公開中です。
今話題の便利なブライダルインナーに関する詳細です。

Menu

Information